
五木寛之さんの『大河の一滴』を今更ながら読んでいる。
その中で大変興味のある一節がありました。
仏教には<布施行>という言葉があります。
この布施行のなかに<無財の七施>という言葉があります。
本にはかいつまんで紹介されていたのですが、
一般的には下の七つの布施行のことをいうようです。
<眼施 がんせ>
慈眼施ともいい、慈しみに満ちた優しいまなざしで、
すべてに接することをいいます。温かい心は、自らの
目を通して相手に伝わるのです。
<和顔施 わげんせ>
和顔悦色施ともいいます.いつもなごやかで穏やかな
顔つきで人や物に接する行為です。喜びを素直に顔の
表情にあらわしましょう。
<愛語施 あいごせ>
言辞施(ごんじせ)の別称もあります。文字通り優しい言葉、
思いやりのある態度で言葉を交わす行ないをいいます。
<身施 しんせ>
捨身施ともいいます。自分の身体で奉仕をすること。
身体で示すことをさし自ら進んで他のために尽くす
気持ちが大切です。
<心施 しんせ>
心慮施。他のために心をくばり、心底から共に喜び
共に悲しむことができ、
他の痛みや苦しみを自らのものとして感じ取れる心持ち。
<牀座施 しょうざせ>
たとえば自分が疲れていても電車の中で喜んで
席を譲る行為。
また競争相手にさえも自分の地位を譲って悔いなく
過ごせることをいいます。
<房舎施 ぼうしゃせ>
風や雨露をしのぐ所を与えること。
自分が半身濡れながらも、相手に雨がかからないように
傘を差し掛ける思いやりの行為など。
忘れかけていたものが、たくさんあることに
気づかされてしまいました。
冷や汗をかいてしまいました。